みなさんは「いちごスプーン」というものを知っていますか?
平成生まれの方には、あまり馴染みのない言葉だと思います。
実はこのスプーン、いちごが日本で普及した時には大活躍していました。
パッと見ではどのように使うのか分かりませんよね。
食べ物が滑り落ちないようなすべり止めのようにも見えますが…。
今回は、そんな気になるいちごスプーンについてご紹介します。
画期的なアイデア
いちごスプーンは、いちごが日本に普及してきたときにはどの家庭にもある画期的な発明だったんです!
というのも、1960年代に普及し始めたいちごですが、当時のものは、あまり甘くなく、酸っぱかったので、いちごに砂糖と牛乳を混ぜて食べられていました。
このとき、いちごを潰して混ぜられていたのですが、当時の人は普通のスプーンで潰すのに一苦労。
これを何とか簡単に潰せる道具は作れないか、という考えから考え出されたのが、いちごの種模様をかたどられた通称「いちごスプーン」なんです。
いちごを潰すために、いちごからアイデアを得るってシンプルですが、そんな簡単に思いつきませんよね。
私が当時の人だったらガラスの瓶の底などを使って潰せばいいやと考えていたと思います。笑
開発後、いちごスプーンは瞬く間に人気を得て、昭和生まれの誰もが知るアイテムとなりました。
しかし、そんな人気商品を現在では、ほとんど見かけませんよね。いったい何が原因でその姿を消していったのでしょうか?
消えた理由
いちごスプーンが消えた理由には、人類の技術レベルの向上と関係があります。
上述した通り、いちごスプーンが流行った時期のいちごは酸味が強かったため、砂糖や牛乳と混ぜて食べられていました。
ここで、よくよく考えてみると、現代のいちごってあまり酸っぱくないですよね?
そうなんです。
つまり、いちご自体が甘くなったため、砂糖と牛乳と混ぜる必要が無くなり、いちごスプーンもだんだんと使われなくなってしまいました。
もちろん、いちごは自然に甘くなった訳ではなく、品種改良が行われたことによって甘くなりました。
いちごが甘くなることは誰もが望んでいたことだと思いますが、皮肉なことに、いちごスプーンにとっては大打撃を与える結果となりました。
生産量も最も人気のあった時期の年間数万本に比べて大幅に減少し、現在では、年間数千本しか生産されていないそうです。
それではもう、いちごスプーンは廃れて、無くなってしまうのでしょうか?
人気復活?
実は最近、いちごスプーンの特徴を活かして離乳食や介護食を食べる際に利用され始めています。
これは、流石のもはや日の目を見ることが無いと思われていた、いちごスプーンもビックリですね!
離乳食や介護食はちいさく、やわらかくして喉に詰まらせることが無いようにする必要がありますから、いちごスプーンの特徴がそのまま使えるということです。
時代を超えて使ってくれる人がいると、開発した方もさぞ嬉しいことと思います。
まとめ
いちごスプーンについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
いちごスプーンはいちごが食べられ始めた当初に潰しやすくするために開発されましたが、いちごの品種改良によって甘味が増え、だんだんと日本の家庭から姿を消していきました。
しかし最近では、離乳食や介護食を食べるときに使われ始め、注目を集めています。
今後、日本の高齢社会がどんどん進んでいくと思われますので、いちごスプーンの活躍の場が増えるかもしれませんね。
案外、ショッピングセンターに売っているらしいので、興味がある方は購入してみてはいかがでしょうか?